和漢コラム便秘の解消にCOLUMN
便秘には水分、それでもダメなら試してほしい3つのこと
水分補給の効果が感じられない方は追加の対策を
便秘の改善のためには、水分補給は大事な要素です。しかし、飲み方や飲み物の種類も気をつけて続けていても、便秘の悩みが解消しない…という方もいらっしゃるでしょう。水分をきちんと摂っても便秘が改善しないのは、「水分不足以外に原因がある」と体が示してくれている、ということ。
そのような場合には、水分補給に加えて、別の対策も段階的に追加してみることをおすすめします。
ステップ1 水分補給+善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす
美しい花を育てるには、よい土が必要です。同じように、よいお通じのためには、腸内環境を整えることが大切。ステップ1は「善玉菌が悪玉菌よりも優位な状態にすること」です。
善玉菌の主要なものが乳酸菌、ビフィズス菌です。これらを積極的に食事で摂って腸に送り込み、腸内の善玉菌の数を増やしましょう。
善玉菌はオリゴ糖をエサにして増えます。オリゴ糖は、玉ねぎ、アスパラガス、にんにくなどの野菜類や、はちみつなどに多く含まれるほか、味噌や醤油などの発酵食品にも含まれます。これらの食品をバランスよく摂ることは、健康的な食生活の基礎ともなります。
善玉菌が増えれば相対的に悪玉菌が減っていくため、続けるうちに自然と腸内環境が整ってきますよ。
水分に加えてオリゴ糖を摂るようにしても、今一つ効果が感じられなかった場合は、次のステップで腸の運動を活発にする対策を追加しましょう。
ステップ2 水分補給+善玉菌増加+質の高い睡眠をとる
腸は緊張すると働きにくく、リラックスすると活発に働きます。睡眠時は腸の活動タイム。質のよい睡眠が、いいお通じにつながります。
睡眠は「リラックスモードの神経」と呼ばれる副交感神経がコントロールしています。しかしストレスや外部からの刺激などで、睡眠中も「緊張モードの神経」=交感神経が働き続けることがあります。すると腸の働きが弱まり、便秘の原因になってしまうことも。
ちょっとした工夫で、「リラックス→質の高い睡眠→腸の活発な運動」の好循環を導くことができます。
眠る前には交感神経を刺激しない
- 就寝1時間前からはスマホやPC画面を見ない
- 激しい運動、熱すぎるお湯での入浴は控える
- 夜食を食べない
- カフェインを摂らない
副交感神経が働きやすいようにリラックスする
- 温かい飲み物で水分補給
- 軽めのストレッチやヨガ
- ぬるめのお湯で入浴
→夏に向かいシャワーの頻度が高くなると、冬に比べて入浴の回数が減ってしまいがち。気をつけたいですね。 - 腹式呼吸
→鼻からゆっくり息を吸ってお腹をふくらませ、次に鼻か口からゆっくり息を吐き、お腹をへこませます。慣れない人は仰向けになって、お腹に手を当てながら行うとやりやすいでしょう。リラックス効果とともに、腸をマッサージする効果もあります。
水分補給し、腸内環境を整え、よい睡眠で腸の運動が活発になってくると、お通じにもよい影響が出てくるはずです。そこまで来たら、ステップ3として食物繊維を積極的に摂るようにしてみましょう。
ステップ3 水分補給+善玉菌増加+質の高い睡眠+食物繊維を摂る
食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があり、どちらも便秘改善によいといわれます。
なかでもとくに、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維は、善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。
- 水溶性食物繊維を多く含む食品…昆布、わかめ、こんにゃく、果物、サトイモ、大麦など
ところが、水溶性食物繊維を摂っても、せっかくの「善玉菌を増やす働き」が発揮されないどころか、逆効果になってしまうことが。
腸内には、善玉菌と悪玉菌、日和見菌(ひよりみきん)の3種の細菌がいます。日和見菌は全体の7割を占めているといわれ、善玉菌または悪玉菌の優勢な方に加勢します。
善玉菌が少ない腸内に水溶性食物繊維が運ばれてくると、善玉菌よりも圧倒的に数の多い日和見菌が先回りし、水溶性食物繊維から「酪酸」を作り、便を硬くしてしまうので、便秘改善には逆効果。
水溶性食物繊維の働きを最大限に生かすには、あらかじめ善玉菌が優勢な腸内環境に整えておくことが不可欠です。
ステップ1でオリゴ糖を摂って善玉菌を増やし、ステップ2で睡眠時の腸の運動を活発にし、それから水溶性食物繊維を積極的に摂る、この順番がポイントです。
ステップを踏んで、あなたに合った便秘対策を絞り込もう
水分を十分に摂っているのに、便秘が改善しない…。重い気分を解消したい方はぜひ、ステップ1~3の対策を段階的に試してみてください。そうすると、あなたに合った便秘対策の的を絞れるようになります。
ステップ1で効果があれば、オリゴ糖を続けて摂るようにする。ステップ2で効果があった方は、今後も質の高い睡眠をとるよう心がけていく。
水分を摂る習慣とともに、手応えのあった対策を重点的に続けましょう。