和漢コラム便秘の解消にCOLUMN
「便秘薬を飲むとお腹が痛い」には、こんな理由があった
便秘薬を飲んだらお腹がとても痛くなって、脂汗を流しながら必死で痛みに耐えた・・・長年便秘とお付き合いしている人のなかには、そんな経験をしたことがある人も多いかもしれません。
おなかに溜まった便をスッキリしたいだけなのに、どうして便秘薬を飲むとお腹が痛くなってしまうのでしょうか?痛みを軽減する方法や、なくす方法はないのでしょうか?
このコラムでは、便秘薬を飲むとやってくる痛みに関する、さまざまな疑問にお答えしていきます!
お腹の痛みを引き起こしている原因とは
実は大腸の粘膜には、痛みを感じるセンサーがありません。小さなポリープなどは麻酔なしで切り取っても大丈夫なほど。なのになぜ、便秘薬を飲むとお腹が痛くなることがあるのでしょうか?
それは、便秘薬で大腸が刺激を受け、動きが活発になりすぎるせいかもしれません。
通常大腸は、伸び縮みを繰り返す「ぜんどう運動」により、便を送り出しています。腸を刺激してぜんどう運動を引き起こし、排便につなげるタイプの便秘薬(刺激性下剤)では、用量などに誤りがあったりすると、この動きが通常より激しくなることがあります。
腸内側の粘膜は痛みを感じませんが、腸が激しく伸縮する動きによって腸管壁が刺激されると、これを痛みとして知覚します。痛むことで、「腸でトラブル発生中」という情報を脳に伝えている、と言うこともできます。
ぜんどう運動には周期があるため、痛みも断続的にやってきます。ひどいときは吐き気や冷や汗をともなうこともあるのが特徴です。
たいていは排便すると治まるため、何度も繰り返すうちに痛みにも慣れてしまうことがあります。むしろ痛くないと効いた気がしない、という人さえいるかもしれません。しかしむやみに大腸刺激性の便秘薬を飲み続けると、薬への耐性ができ、効きにくくなってしまうことも。
効かないからといって自己判断で大量に飲むのは、体への負担が大きく大変危険です。想定外の腹痛を避けるためにも、市販薬は用法用量を守って使用することが大切です。
自分に合った便秘薬を選んでいますか?
何気なく選んでいる便秘薬にもいろいろな種類があり、効果のある便秘のタイプと効かない便秘のタイプがあります。
たとえば、ストレスなどが原因でなるけいれん性便秘は、ぜんどう運動が強すぎることが原因のひとつ。そこへ刺激性の便秘薬を使ってしまうと、効果が期待できない上にお腹が痛む原因にもなってしまいます。
ウサギの糞のような小さくてコロコロしたウンチの場合は、けいれん性便秘の可能性があるため、刺激性便秘薬はおすすめできません。
また、出口付近に硬い便が詰まって栓のようになってしまっている直腸性便秘で、いきなり刺激性の便秘薬を使ってしまうと、出口が塞がっているのに強いぜんどう運動が起こり、腸の内圧が高まってひどい腹痛を起こすことも。直腸につながるS状結腸(左下腹部)などは比較的痛みの出やすい箇所です。
自分の便秘のタイプを知り、症状に合った薬を選ぶことも大切です。