和漢コラム男性更年期の対策COLUMN
男性更年期は、年齢だけが要因ではない。知るべき原因と対策
男性更年期(LOH症候群)は他の疾患の黄色信号でもある
うつ病と間違えやすい、男性更年期の症状
男性ホルモンが減ることで起こる男性更年期。やる気が出ない、イライラする、不眠といったうつ症状が出やすいために、うつ病と間違えられることがよくありますが、男性更年期の場合なら男性ホルモンを補充することで改善されます。
気をつけたいのは、心療内科などの医療機関でも、まだ男性更年期への理解が低いためにうつ病と診断されがちなこと。うつ病の治療に使われる抗うつ剤や精神安定剤のなかには、男性ホルモンの分泌を抑制してしまう作用もあるので、さらにうつ症状が悪化してしまうケースも少なくありません。
過去にうつ病になった経験がある人は別として、おかしいなと思ったら、まずは泌尿器科などで男性ホルモン値を測ってもらうのも一つの方法。その症状が男性更年期によるものなら、男性ホルモンを補充することで改善することができます。{ご指示いただいた場所に加えると、この段落の2行目にも同じくだりが出てくるので、少し離しました。}
男性ホルモンが低下したら、気を付けるべきこと
男性ホルモンが低下している場合、深刻な病気を引き起こす黄色信号でもあります。その一部をご紹介します。
動脈硬化
男性更年期になると、朝立ち(早朝勃起)の回数が減るという症状があります。
これは、体のなかで一番細い動脈(直径1~2ミリ)が陰茎動脈であるため、動脈硬化が起こり始めていることを意味します。
男性ホルモンには動脈硬化を予防する役目もあるため、その働きが弱くなってくると朝立ちの回数が減るのです。動脈硬化が進行すると、心臓の動脈(直径3~4ミリ)や脳の血管(直径5~7ミリ)へと進んでいく可能性があるため注意が必要です。
メタボ(メタボリックシンドローム
男性ホルモンの低下によって筋肉が減ることで、内臓脂肪が増えていきます。それによって、高血糖や血圧上昇、脂肪肝などを引き起こし、メタボリックシンドロームの危険性が高まります。
その他にも男性ホルモンの低下は、さまざまな生活習慣病や認知症にも影響することが最近になって分かってきました。男性更年期のサインを感じ始めたら、身体の健康信号が黄色になりはじめたと気づくことが大切なのです。
男性更年期を改善するための対策
それでは、男性ホルモンの低下を抑えるためにはどうしたらよいのか。その対策をご紹介します。
男性ホルモンの補充が一番の近道
手っ取り早い方法としては、減ってしまった男性ホルモン(テストステロン)を補充するというもの。投与の方法は、飲み薬や注射などがあります。
男性ホルモンを補充することで、最初に変化が現れるのは朝立ちの頻度回復。そのあとに、体調不良などさまざまな機能に改善がみられます。
運動することで筋肉を刺激、血流をよくする
運動によって血液の循環がよくなり、筋肉に刺激を与えることで、男性ホルモン分泌の増加を助ける働きがあります。脳下垂体から性腺刺激ホルモンが分泌されやすくなるとともに、睾丸の血流もよくなるためです。
ウォーキングなどの有酸素運動。腹筋や下半身の筋肉を鍛えるのも有効です。
ストレス解消を心がける
男性ホルモン低下の要因となりやすい、ストレス。これをできるだけ減らす努力も大切です。
- 睡眠時間をしっかり確保する
規則正しい生活リズムを心掛けて、遅くとも23時までには就寝しましょう。 - ベッドに入る1時間前に入浴
ゆっくりと入浴することでリラックス効果はもちろん、お風呂で上がった体温が1時間ほどで下がりはじめて、眠りに落ちやすくなります。 - 朝の散歩を習慣に
朝のうちに太陽光をしっかり浴びることでセロトニンが生成されます。セロトニンは睡眠に欠かせないメラトニン生成につながります。
男性更年期について、まずは知ることが大切
男性更年期はあまり認知されていないだけに、自分ごととして認められないという人も多いようです。
男性更年期=老化・男性力低下といったイメージが先行するせいかもしれません。ましてや、30~40代の若い世代であればなおさらでしょう。
しかし、男性ホルモン低下によるデメリットは、あまりにも大きいもの。今まで多くの先輩たちが男性更年期の存在を知らずに悩んでこられたことを思うと、人間の身体はまだまだ未知の世界なのかもしれません。
今の段階で、男性更年期の存在に気づくことができたのはラッキーだと受け止めて、自分の身体とまっすぐに向き合う時間をつくってみてください。