和漢コラム膀胱炎の改善にCOLUMN

膀胱炎とストレスの密接な関係

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「疲れたな、最近ストレスたまってる・・・」そんなときに膀胱炎になりやすい人、かなり多いようです。
ストレスと膀胱炎にはどんな関係があるのか?そのメカニズムを知って、膀胱炎の予防策も考えていきましょう。

ストレスで膀胱炎になりますか?

膀胱炎は、膀胱のなかで細菌が繁殖しておこる病気です。直接の原因となるのは大腸菌などの細菌ですが、細菌が繁殖しやすくなる環境をつくってしまうという意味では、疲れやストレスも原因のひとつになります。

なぜなら、膀胱の中には、膀胱炎まではいかなくても、何らかの細菌が入りこんでしまうことはよくあること。とくに女性の場合は、尿道口と肛門の距離が近いため、大腸菌が入りやすい体の構造です。
それでも、いつもの健康な状態であれば体の免疫機能がはたらいて細菌を退治してくれるのですが、ストレスなどによって免疫力が下がっていると菌に対する抵抗力が落ちて膀胱炎になってしまうのです。

ストレスが膀胱炎を引きおこすメカニズム

ここからは、ストレスがかかることでどのように膀胱炎に関係するのか。詳しくみていきましょう。

理由1.「ストレスホルモン」が免疫力を下げる

「ストレスホルモン」とは、ストレスの刺激によって分泌されるホルモンの総称。ストレスに負けないように対抗するホルモンです。
その代表選手がコルチゾールで、血圧や血糖値を上げたり免疫反応に関わったりと体にさまざまな作用をあらわします。

しかし、慢性的なストレス状態にあると、コルチゾールが過剰に分泌されたり、タイミングよく分泌できなかったりという事態に。それによって免疫機能のバランスが乱れて、免疫力を下げてしまうのです。

理由2.自律神経のバランスがくずれて、免疫力が下がる

自律神経とは、呼吸や心拍、血圧、体温、排泄など、生きていくうえで欠かせない臓器の働きをコントロールする神経。活動するときに働く「交感神経」と、休息やリラックスするときに働く「副交感神経」があり、この2つがバランスよく働くことで体を最適な状態に保っています。
しかし、ストレスがかかると「交感神経」が優位になり過ぎて自律神経のバランスが乱れ、免疫力をつかさどる白血球に影響して免疫力が下がってしまうのです。

さらに、ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、粘膜で働く免疫物質「IgA」の濃度も低くなります。
「IgA」は全身の粘膜表面ではたらき、粘膜をウィルスや細菌などから守ってくれる働きをもっています。膀胱は粘膜でおおわれているので、ストレスがかかるとその働きが弱まってしまうのです。

理由3.ストレスフルな日常が膀胱炎の呼び水にも

もう一つ、慢性的なストレスがつづくと日常の行動にも悪影響がでる場合があります。たとえば、睡眠不足や栄養バランスの乱れ、過度なアルコールの摂取で免疫力が下がってしまう可能性も。
その他、忙しくてついトイレを我慢してしまう。水分を摂る量が減ってしまう。帰宅時間がおそくなって入浴できない。そんな日々の行動が直接的に膀胱炎になりやすい環境をつくってしまう場合があります。

ストレスメカニズムの説明図

膀胱炎になりやすい人の10の習慣

「ストレスからの膀胱炎」をたち切るために

膀胱炎とストレスの関係はわかったけれど、明日からストレスをなくせるわけでもないし・・・。たしかに簡単に解決できることではないけれど、少しずつでも改善していく方法は見つけておきたいですよね。
ここからは、コルチゾールの分泌リズムや自律神経の整え方について、いくつかご紹介します。自分が「これは取り組めるかも」と思えることから試してみてください。

1.ぐっすり眠ろう(副腎を休ませるために)

コルチゾールは、副腎皮質という副腎の一部でつくられるホルモン。休息をとることで副腎の機能が安定して、リズムが整いやすくなります。十分な睡眠をとることは、副腎を休ませてあげることにつながるのです。
夜の自由時間にSNSを楽しむのもいいけれど、「今日は副腎のために早く眠ろう」という日もつくってあげましょう。

そして、コルチゾールの分泌量には一日のリズムがあり、早朝がいちばん多く、睡眠中はその10分の1ほどしか分泌されません。ぐっすり眠ることはこのリズムをサポートすることでもあり、ストレスを感じたときに適正量のコルチゾールが分泌されるよう助けてくれるのです。
眠っている間に副交感神経が優位になることで、心拍数や血圧が下がり、身体がリラックスして疲労回復をサポートします。それによって、昼間に活動する交感神経もバランスよく働いてくれる。そのリズムをつかんでいくことで自律神経のバランスが整っていきます。

ぐっすり眠るためのポイントとは

・暗く静かな環境で眠る
・就寝2時間前からスマホ(ブルーライト)を遠ざける
・朝起きたときに太陽光をあびる
・寝て起きる時間を毎日同じにする
・寝室の温度調節(暑くもなく、寒くもなく)
・眠くなる自分のルーチンをつくる(お風呂につかる、マインドフルネスなど)

2.散歩からはじめよう

30分程度の散歩を習慣にしてみませんか。
まとまった時間の有酸素運動は、体にとってストレスと認識されるので、エネルギー効率を上げるため一時的にコルチゾールが分泌されます。そして運動が終わると、もうコルチゾールは必要なくなるため分泌が減少、正常な安定値におさまろうとします。
この繰り返しを定期的におこなうことで、乱れていたコルチゾールの分泌リズムが整ってくるのです。散歩のほかにも、ジョギング、水泳、サイクリングなども同じ効果が期待できます。

また、自律神経を整えるためにも、散歩は効果的。
運動することで心拍数が上昇し、血流がよくなると、交感神経と副交感神経のバランスが整いやすくなります。朝の散歩ができるなら、朝の太陽光をあびることで体内時計も整えられて睡眠の質も良くなるという、一石二鳥のパターンもおすすめです。
もうひとつ、ゆっくりとした深い呼吸(ヨガやストレッチなど)は、副交感神経の働きを高めてくれるので、仕事の合間や夜ベッドにはいる前などにも試してみてください。

まとまった時間の有酸素運動とは?

日常のなかで取り入れたい運動

・駅では、エレベータより階段を使う
・ラジオ体操を習慣にする
・朝起きたときのストレッチ
・掃除機をかける
・車の代わりに、電車や自転車で移動
一つひとつは小さなことでも、習慣化することで少しずつ体にも変化が見えてくるはずです。

3.ストレスをやわらげる食事を

もちろん、バランスのとれた食生活が一番ではあるけれど、「料理に時間をかけられない」「レシピを考えることがストレスだ」という人も多いはず。
だから、まずはストレスを軽減してくれる食べ物を選ぶことから始めましょう。

ダークチョコレート

カカオ含有率70%以上がおすすめ。ダークチョコレートに含まれるポリフェノールには抗酸化作用があり、ストレスを軽減する効果があると言われています。また、チョコレートには「幸せホルモン」と呼ばれるエンドルフィンの分泌をうながす効果も。とはいえ、糖分のとりすぎには注意して1日30gまでを目安にしましょう。

ベリー類

ブルーベリーやストロベリー、ラズベリーなどのベリー類。コルチゾールの分泌をおさえるビタミンCや、抗酸化物質の一種であるアントシアニンを多く含んでいます。生のままで、ジャムやスムージーなどで楽しむのもいいですね。

ナッツ類

アーモンドやくるみ、ピーナッツなどには、ビタミンB群やビタミンEが豊富に含まれており、ストレス軽減につながると言われています。

バナナ、大豆製品

「幸せホルモン」の一種、セロトニンの材料となるトリプトファンを多くふくむ食材です。その他にも、乳製品やナッツ類(かぼちゃの種やごま、カシューナッツなど)にも含まれています。トリプトファンは体内ではつくられない物質のため、食事から積極的にとりいれたいですね。

発酵食品

ヨーグルト、キムチ、味噌、漬物などの発酵食品にふくまれる、GABA(ギャバ)。天然アミノ酸の一つであり、気持ちを落ち着かせてリラックス効果があると言われています。

この他にも、L-テアニンというアミノ酸をふくむ緑茶、血糖値を安定させてくれるオートミール、キヌア、玄米などの全粒穀物、ビタミンCやビタミンEを多くふくむ緑黄色野菜など、ストレス軽減につながる食材はさまざま。まずは、自分の好みにあった食材から選んでみてください。

「膀胱炎かな?」と思ったら

ストレスをためないようにとは思っていても、なかなか自分ひとりでコントロールできないのが難しいところ。頑張り屋さんな人ほど、つい無理をしてしまうのかもしれません。
「この違和感、ひょっとして膀胱炎かも?」と思ったときには、早めに対処することがとても大切です。まずは、水分(お水か白湯がベスト)を多めにとって、トイレを我慢しないなど初期の対策をとるようにしてください。

また、初期の膀胱炎なら、ドラッグストアなどで手に入る膀胱炎の市販薬で治すことができます。

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