和漢コラム腰痛の悩みにCOLUMN
原因不明の腰痛に打つ手とは?痛む理由を知って対策
原因不明の腰痛を改善する3つの方法
原因不明の腰痛は、筋肉にたまった疲労物質や発痛物質が一因。これらの有害な物質をすみやかに流し、新たに溜めこまない対策を行いましょう。
同時に痛みをブロックする脳のメカニズムにも注目し、精神面からも対策を行うことをおすすめします。
1. 筋肉をゆるめて発痛物質を流す
まずはこり固まった筋肉をやわらげ、たまった発痛物質を血流に乗せて排出していきましょう。
そのためには、筋肉をやわらげることと、血流を良くすることの2点が重要です。風邪予防には「手洗い、うがい」と言いますが、腰痛予防には、「ストレッチと血行促進」と心得ましょう。
基本はストレッチやヨガなどの動きで筋肉をほぐすこと。仰向けに寝転がって片膝ずつ抱えるなどの簡単な動作で、こわばった腰の筋肉をゆるめることができます。
筋肉をゆるめたら、次は血流改善を。入浴などで体を温めると、血流が良くなり、たまった疲労物質や発痛物質の排出に役立ちます。
その他にもツボ押しや、ウォーキングなどの適度な有酸素運動も血流を促進する効果があります。自分が生活に取り入れやすいものや、楽しめるものをいろいろ試してみましょう。
2. 腰を支える筋肉を鍛える
腰が痛いときはとりあえず安静に、と思っているなら、それは間違いです。実は原因不明の腰痛の場合、安静は予防としても治療としても勧められておらず、適度に体を動かしたほうが回復が早いことがわかっています。
腰まわりのインナーマッスル(大腰筋)が固くなったり衰えてしまうと、姿勢が崩れて腰に負担がかかり、腰の痛みの原因になるため、運動不足、筋力不足に心当たりのある人は、ぜひできる範囲で積極的に体を動かしていきましょう。
筋肉を鍛えることで、腰への負担を軽減し、発痛物質の産生を抑えることに役立ちます。
階段を上がるとき一段飛ばしにするだけでも、大腰筋の良い筋トレになりますよ。
3. ポジティブに思考する
原因不明の腰痛の要因として挙げられることが多い「ストレス」。ストレスや不安にさらされていると、人間に自然に備わった痛みをブロックするシステムが働きにくくなり、痛みを感じやすくなってしまいます。
少し前の調査になりますが、2003年に発表された「腰痛に関する全国調査」によると、ストレスの程度が高い人は、軽度の人に比べて1.56倍も腰痛になるリスクが高いことがわかりました。
また、同じ調査で気分がふさぐ「抑うつ傾向」についても、傾向が低い人に比べ、高い人は1.41倍腰痛のリスクが高くなっていました。
痛みが発生するのは体のいろいろな場所ですが、痛みを感じているのは「脳」です。したがって痛みをどう受け止めるかも重要な要素。
痛みに対する恐怖で体を動かさなくなったり、痛みのことばかり考え、良くならないのではないかとマイナス思考に陥ったりすることは、腰痛を悪化させてしまいます。
原因不明の腰痛には、考え方の偏りを正すことも大切。
実際、医師の指導のもとに、痛みに対する偏った考え方や受け取り方(認知)を修正していく心理療法=「認知行動療法」といった治療法も、医療の現場で使われ成果をあげています。
「もう○○しかない」は「まだ○○もある」に、「きっとできない」は「できたらすごい」に。日常生活でネガティブに考えている自分に気づいたら、一つひとつポジティブに言い換えることを習慣にしてみましょう。
原因不明の腰痛と診断されたら、ラッキーと考えよう
医療機関で検査を受けたけれど、異常は見つからなかった・・・ならば生死に関わる重篤な疾患ではないということ。
「原因不明だなんて、困った・・・」と落ち込むのではなく「重い病気じゃなくて、良かった!」とポジティブに考えてみましょう。
もちろん、長引く腰の痛みは、仕事にも日常生活にも深刻な支障をもたらしてしまいます。だからといって暗い気分で部屋にひきこもっていては、どんどん負のスパイラルにはまってしまうかもしれません。
つらいときこそポジティブに考えることを忘れずに。まずは上に挙げた対策をどれかひとつでも試してみませんか?