和漢コラム腰痛の悩みにCOLUMN
生理のたびに腰痛が悪化!?生理と腰痛がリンクするワケ
突然襲ってきてすべての予定を狂わせてしまう、腰の強い痛み・・・その理由はいろいろ考えられますが、実は女性の腰痛には、月に一度の「生理」が大きな影響を与えています。
そのメカニズムの中心となるのが、生理のときに分泌される女性ホルモンたち。女性の体に備わった生殖システムが、腰にはマイナスに働いてしまい、負担をかける原因になっていることがあるのです。
このコラムでは、生理のたびに女性の体で何が起きているのかを解き明かしながら、女性の腰痛や、腰に表れる生理痛の改善のためにできることを詳しくご説明していきます。
骨盤をゆるませる女性ホルモン「リラキシン」
「リラキシン」は、特に妊娠時に多く分泌される女性ホルモンの一種で、分娩時に赤ちゃんが産道を通れるよう、骨盤の関節や靭帯をゆるませる作用があります。
月経前~月経中にも分泌され、骨盤を開くことで経血をスムーズに出させることに役立ちます。
妊娠・出産のためには欠かせないホルモンですが、このメカニズムが女性の腰痛の一因に。リラキシンの影響で骨盤内の関節や靭帯がゆるむと、骨盤全体がぐらついて不安定になります。
するとふとした動きで骨盤内を通る神経を圧迫したり、不安定な骨盤をサポートするため周囲の筋肉に負荷がかかるなどして、腰痛の症状を引き起こしてしまうことがあるのです。
順調な方なら28日ごとに起こる生理。そのたびに毎回骨盤がゆるむということは、月に1度のペースで、腰痛が悪化しやすい時期がやってくるということになります。これは腰痛に悩む女性にとって大問題。
生理前~生理中のリラキシン分泌期を見据えて、腰痛を悪化させない工夫をしていくことがカギになります。
骨盤のゆるみをサポートする方法
骨盤まわりの筋肉が衰えていると、骨盤がゆるんだときにトラブルを起こしやすくなります。ですからこの付近の筋肉を鍛えることは、生理で悪化しやすい腰痛対策にも有効。
普段からよく歩いたり、階段を使う、電車では立っておくといった小さな心がけで、股関節や骨盤まわりの筋肉を適度に鍛えることができます。
生理になるといつも腰痛の症状がひどくなるという人は、その期間だけ腰痛ベルトやサポーターをつけるのも一案。腰まわりをしっかりとサポートし、骨盤のズレやゆがみを抑えることに役立ちます。
血流が悪くなることも、腰痛悪化の一因
生理が始まると、冷えを感じる女性は多いもの。これには、生理中に分泌が増える「プロスタグランジン」という物質が関係しています。
頭痛の原因物質としても有名な物質ですが、生理中はこのプロスタグランジンの働きにより、子宮をぎゅっと収縮させて経血を体の外に出しています。このとき同時に周囲の筋肉も収縮させるため、骨盤内の血流が悪くなりやすいのです。
骨盤内の血流が悪くなると、腰まわりもそれにともない血行不良になりがち。腰に疲労物質や老廃物が溜まり、痛みが発生しやすくなります。生理中の腰痛回避のためには、意識して体を温め、血流を良くすることも大切です。