和漢コラムニキビの治し方COLUMN
寝不足ニキビを制すカギは「寝る前3時間」にあった!
寝不足だとニキビができてしまう・・・分かってはいても、毎日早い時間に帰宅して長時間眠るなんて現実的に不可能!というのが働き女子たちの本音ではないでしょうか?
忙しくてしっかり眠れない時期でも、できるかぎり肌荒れをくいとめ、ニキビをつくらせないためには、睡眠の質を高めて肌の再生能力を最大限に活かすこと。そして睡眠の質を高めるカギは「寝る前3時間の過ごし方」にあります。
このコラムではまず、睡眠の質がニキビや吹き出物とどんな関係があるのかを詳しく解説。そして、睡眠不足に陥りがちな現代女性にこそぜひ意識してほしい、睡眠の質を高める方法についてご紹介します。寝不足ニキビをつくらせないことはもちろん、できたニキビをスムーズに治していくためにも、「眠り」をケアすることから始めてみませんか?
寝不足ニキビは成長ホルモンの不足が一因
寝不足でできてしまう大人ニキビのメカニズムには、「成長ホルモン」が深く関わっています。
成長期に身長を伸ばすホルモンとして知られる成長ホルモンは、20歳のころが分泌量のピーク。40歳になると半減し、その後も減少の一途をたどりますが、それでも私たちの健康に欠かせない、大切な役割を果たしています。そのうちのひとつが、「肌のターンオーバーを促す」という働き。
表皮の細胞は、基底層(きていそう)という表皮の一番奥で生まれます。その後有棘層(ゆうきょくそう)、顆粒層(かりゅうそう)を経て、約4週間かけて肌表面にまで押し上げられてきます。肌の一番外側の角層(かくそう)まで押し上げられると、ここで細胞は約2週間かけて成熟し、最後には垢となって肌から剥がれ落ちます。この4週間+2週間の約6週間が、肌のターンオーバーの1サイクル。このサイクルをよどみなく回すための、スイッチのような役割を果たしているのが成長ホルモンなのです。
ターンオーバーが順調なら、表面の角層が傷ついても、次々と表皮の奥から新しい細胞がやってきます。角層はほどよく成熟した細胞で満たされ、ニキビや吹き出物もできにくく、健やかな肌をキープすることができます。
ところが成長ホルモンが不足したり、血流が悪いために肌まで届かなかったりすると、このターンオーバーがうまく行きません。表皮の奥から次の細胞がやってこないので、角層に古い肌細胞が長く留まって角層が厚くなります。その結果、肌がごわついてくすんだり、毛穴が詰まりやすくなってニキビの原因になることが。
またニキビができてしまったときも、ダメージを受けた肌細胞がスムーズに新しい肌細胞に置き換わらないため、治りが遅くなったり、跡が残る原因にもつながります。
成長ホルモンは大人ニキビの予防のためにも、ぜひしっかり分泌させたいホルモンなのです。
寝不足だと肌再生のタイミングを逃してしまう!
成長ホルモンは、入眠して最初にやってくる深いノンレム睡眠のときに、1日の分泌量の約7割もの量を分泌します。これはだいたい眠りについてから3時間の間。睡眠の後半や、浅いレム睡眠のときには、ピークに比べてぐっと分泌量が少ないことが分かっています。
つまり成長ホルモンの分泌には、眠りについてすぐにやってくる深い眠りの質を高めることが重要。このときを逃してしまうと、成長ホルモンがじゅうぶん分泌されず、新陳代謝を滞らせてしまうことが考えられます。
さらに、細胞分裂が起きて新しい皮膚細胞が作られるのは、昼間ではなく、寝ている間。起きているときは脳や胃、肺などに血液が集中しがちですが、睡眠中は肌のすみずみまで血液がめぐり、栄養が行き渡ります。さらに睡眠の前半で成長ホルモンも分泌されるため、このタイミングで肌は活発に再生活動を行っています。
寝不足が続くと、「成長ホルモン分泌→肌の細胞づくり」という肌再生の流れがうまくいきません。すると角層の状態が悪化して、ニキビや吹き出物はもちろん、シミやシワ、たるみなど、肌の老化を進める原因にも。エイジングケアの視点からも、寝不足はお肌の大敵なのです。