和漢コラム男性更年期の対策COLUMN
疲れがとれない原因に、男性更年期があった。その症状と対策。
男性ホルモン(テストステロン)の役割は、想像以上に大きい
男性の更年期障害とは、男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が年齢とともに低下することで起こります。男性ホルモンとは文字通り体を男らしくするホルモンで、20代をピークに減少していくもの。正確には、男性ホルモンと呼ばれるものには複数ありますが、その中心となるのがテストステロンです。
そして、このテストステロンは、私たちが想像する以上にさまざまな面で大きな役割を担っているのです。
男性ホルモン:身体への役割
- 男性らしく、たくましい体格をつくる
- 筋肉や骨を増強させる
- 生殖機能の維持や、性欲を高める
- 血管の状態を正常に保つ一酸化窒素(NO)をつくる
男性ホルモン:心への役割
- 幸福感・やる気のもととなるドーパミンをつくる
- チャレンジや、自分の世界を広げたい欲求をつくる
- 決断力や判断力を高める
このように身体と心にさまざまな役割を担っている、男性ホルモン(テストステロン)。それが減少することは、以下のような症状につながります。
男性ホルモンの減少で、身体におこる影響
- 筋肉が減ることで基礎代謝量も減少。肥満やメタボの傾向が高まる
- コレステロールや内臓脂肪が増加、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まる
男性ホルモンの減少で、心におこる影響
- ドーパミンが減ることで、やる気や判断力が低下する
- 不安やイライラ、集中力の低下を招く。重症化すると、不眠症やうつ病につながる可能性も
- 認知機能の低下にも影響する
30~40代でも、強いストレスから男性更年期障害の症状に
このように年齢とともに分泌量が低下する男性ホルモン(テストステロン)ですが、その減り方にはかなり個人差があり、30~40代の若い世代であっても男性更年期障害の症状が現れる場合があります。その原因となるのが、ストレスなのです。
- そのメカニズムとは、
- テストステロンは、そのほとんどが睾丸(精巣)でつくられる。
- 精巣の機能をコントロールするホルモン(ゴナドトロピン)は、ストレスを強く感じると分泌が低下する。
- 結果的にテストステロンの分泌が低下する。
このようにストレスが引き金となって精神的な症状があらわれると、うつ病の症状と勘違いして心療内科などを受診するケースも多いようです。
しかしながら、抗うつ薬として処方される薬のなかには、テストステロンを抑制するホルモンの分泌を高めるものもあり、逆にうつ病の症状が悪化する恐れもあるので注意が必要です。