和漢コラム男性更年期の対策COLUMN
だれにもくる男性更年期の症状リスト。さあ、改善に着手
男性更年期の不調は、男性ホルモンの減少から
男性の心身の不調は、肉体疲労や加齢による体力の衰えによるものだけではなく、男性更年期の影響の可能性があります。それは、男性ホルモン(テストステロン)の減少が原因です。
男性ホルモン(テストステロン)は、男性らしい身体を作り上げたり、やる気や判断力を高めたりして「がんばり」を支えています。が、その分泌が低下すると、徐々に「がんばり」が利かなくなってしまうのです。
男性ホルモンの減少はストレスが原因の可能性も
男性ホルモン(テストステロン)の分泌は20代をピークに徐々に減少していきますが、そのスピードを加速させるのが、「精神的ストレス」。
強いストレスが長く続くと、自律神経はつねに緊張状態に。脳は、危機が迫っていると判断し、生命の維持に必要な体内物質の製造を優先します。テストステロンは、生命維持には直接関係がないため、分泌が後回しになり、量が減少することになるのです。
男性更年期や男性ホルモンの研究が進んでいなかった時期には、体調不良や疲れのせいではないかとされ、対処できないことも多かったようです。
しかし近年、男性更年期は「 LOH [ Late-Onset Hypogonadism ] 症候群 」と定義され、診断や治療も行われるようになってきました。
男性更年期の症状をやわらげるために
男性更年期の改善策1:生活習慣を見直してテストステロンを増やそう
テストステロンは、血流が性腺刺激ホルモンを刺激することで分泌され、精神的なストレスで、分泌が妨げられてしまいます。ですから、テストステロンの分泌を促す対策のポイントは、血行の促進と、ストレスの軽減。
まずは「食事、運動、睡眠」の生活習慣を見直すことからはじめましょう。
対策1:食生活の改善
脂肪が多すぎると、血管の壁に脂肪分や老廃物が溜まって血管が細くなり、血行不良になってしまうため、腹八分目を心がけ、脂肪分の多い食事は控えます。
バランスよく食べることや朝食を抜かない、よく噛んで食べるなど、基本的なことに気をつけることでも血流の改善に役立ちます。
対策2:適度な運動で血行改善
ウォーキングや筋トレなどの軽度な運動で血行を促進しましょう。激しい運動や競争性のある運動は、自律神経が緊張状態になりやすく、逆に血行が悪くなることがあります。マイペースでできる運動にとどめておくことをおすすめします。
対策3:質の良い睡眠でストレス軽減
深い睡眠がとれていれば、脳に発生した老廃物が除去され、ストレスホルモンの分泌も抑えられます。
深い睡眠をとるためには、寝る前に視覚や胃腸に刺激を与えないことが大切。布団に入る1時間前から、スマホやテレビなどのブルーライトを見ない、食事はしないことを心がけてください。
ゆったりとした音楽を流して体の力を抜くと、自律神経も徐々にリラックスモードに。血管が広がって血流もよくなり、手足が温かくなりはじめます。このように末端から放熱し徐々に体内の体温が下がると、心地よい眠気が訪れます。しっかり準備をすることで、質の高い睡眠を得ることができるようになるでしょう。
対策4:気分転換を心がけてストレスを溜めない
生活習慣の見直しも、「しなくてはならない義務」と考えると、逆にストレスのもとになってしまいます。ゆったり、のんびり取り組むと決め、多少上手くいかなくても気にしないようにしましょう。
仕事よりも趣味の時間を優先させたり、親しい友人たちと笑い合って、気分転換をはかるのもいいですね。
男性更年期の改善策2:医療機関に相談する
もしも、あなたがすでに重い症状で悩んでいるのなら、我慢せずに専門家に相談しましょう。
「男性更年期専門外来」「メンズヘルス」などの名称の医療機関や、多くの泌尿器科で受診できます。専門機関では、カウンセリングや男性ホルモン量の測定などを行い、治療の必要性を総合的に判断します。必要であれば、男性ホルモン補充療法(塗り薬、注射、飲み薬)に進むのが一般的な治療法です。
まだまだ知られていない男性更年期
男性更年期の症状には個人差があるので、気づかずに過ごす人もいます。
また、更年期といえば「女性に特有なもの」というイメージが長く続いていました。そのため、男性更年期という言葉を耳にしても、自分自身の問題だと受け止めにくい人も多いようです。
つらい症状を我慢したまま過ごさず、まずはセルフチェックや生活習慣の改善などから試してはいかがでしょうか。家族や仲間も、あなたの元気な笑顔を見る方がぜったい嬉しいのですから。