和漢コラム男性更年期の対策COLUMN
朝立ちしないのは、男性更年期のはじめのサイン
朝立ちしないのは、男性更年期のはじめの症状だった
60代男性でも、健康であれば眠っている時間の約2割程度は勃起しています。
ところが、男性ホルモン(テストステロン)が低下してくると、睡眠のリズムが乱れてきます。それによって、夜中に何度も目が覚める。レム睡眠の状態が朝まで続かなくなるために、朝立ち(早朝勃起)がなくなるのです。
男性ホルモンの減少は睡眠と大きく関係するため、朝立ちがなくなることは、男性更年期の症状として初期の段階でわかりやすいサインと言えるでしょう。
朝立ちの頻度と男性ホルモン(テストステロン値)の関係
それでは、朝立ちの回数がどのくらいの頻度になると注意が必要なのでしょうか。
- ほぼ朝立ちがある。少なくとも1日おきには気づく。 →安心レベル
- あることはある。ときどき気づく。 →黄色信号
- あまり気づかない。まったく気づかない。 →要注意
血中の男性ホルモン(テストステロン値)には、個人差があります。また、ストレスが強くかかると一時的に減少する場合もありますが、1ヵ月間朝立ちがないという場合は、低下したままの可能性が高いと考えたほうがよいでしょう。
朝立ちがなくなるのは、動脈硬化のサインでもある
また、朝立ちがなくなるのは、血管の老化を伝えてくれる兆候でもあります。
ペニスのなかを通っている動脈は直径1~2mmで、体のなかでもっとも細い動脈(陰茎動脈)。男性の場合、動脈硬化はそこから始まると言われています。
そして、動脈硬化にも男性ホルモンが関係していることが、近年分かってきました。ご存知のとおり、動脈硬化が進行すると、心筋梗塞や脳卒中などにもつながるため注意が必要です。
男性ホルモン(テストステロン)の減少は、その他にも内臓脂肪の増加やメタボリック・シンドロームなど、いわゆる生活習慣病にも関係しています。このような疾患は、中年以降になると可能性が高くなると考えられていますが、その原因のひとつが男性ホルモン減少によるものであれば、その兆候に早く気づいて対処していくことで人生の質(クオリティオブライフ)を左右することにもなるのです。
男性更年期の症状をチェックしよう
朝立ち以外に、男性更年期の主な症状をご紹介します。いくつか思い当たる症状があれば、男性ホルモンが減っていることを疑ってみてください。
- 全身の倦怠感
- やる気が出ない。気だるい
- 寝つきが悪くなった。夜中に目が覚める
- 怒りっぽく、イライラする
- ほてりや発汗
- 憂うつな気分になる。無力感
- 性欲や性的衝動が減ってきた
- 頭痛や肩こりがひどくなった
朝立ちしなくなった以外に、このなかで一つでも当てはまるようなら、男性ホルモン値が低下している可能性があります。
男性ホルモンの分泌量は、泌尿器科で血液検査(血中遊離テストステロン値)を受けることで簡単に知ることができます。保険診療で検査できるため、おかしいなと思ったら気軽にチェックすることを心掛けましょう。
男性更年期が原因で朝立ちしないなら、男性ホルモンが改善してくれる
ご紹介したように、朝立ちと男性ホルモン低下(男性更年期)には密接な関係があります。また、男性ホルモンの低下は、さまざまな生活習慣病を引き起こす要因でもあります。
もし、「最近、朝立ちしないな」と気づいたのなら、それはまさに身体が教えてくれる危険信号。早めに気づけたことをラッキーと考えて、男性更年期の対策を講じたいものです。治療方法としては、男性ホルモン(テストステロン)を補うことが一番の近道。朝立ちなどの症状改善も期待できます。
男性ホルモンの分泌量は、人によってかなり差があるとともに、減り方が緩やかであれば症状にも気づきにくいものです。また、ストレスがかかりすぎると、男性ホルモンの低下を引き起こし、30代でも症状が現れるケースが増えています。
朝立ちがなくなったなと心配しているのなら、年齢に関係なく、まずは男性更年期の可能性を考えてみてはいかがでしょうか。
若い頃は面倒くさいなと感じていた朝立ちも、あなたの健康を知るためのバロメーターです。男性更年期が疑われる症状があるのなら、サインが出てよかったなとポジティブに捉えるのが得策であるはずです。