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薬の飲み方、今さら訊けない7つの疑問
風邪、頭痛、お腹の不調・・・体調を崩してしまったとき、普段から何気なくお世話になっているお薬たち。でもそのお薬、きちんと正しい飲み方で飲んでいるかと訊かれると、ちょっと不安ではありませんか?
体へ負担をかけることなく薬の効果を正しく引き出すためには、薬の飲み方はとても大切。
このコラムでは、いまさら人に訊けないような素朴な疑問から、知っているようで知らなかった薬の飲み方の常識まで、7つの疑問にお答えしながらご紹介していきます!
疑問1「食前、食間、食後・・・この薬いつ飲めばいいの?」
処方されるお薬の袋や、市販薬の説明書きには「食前」「食間」「食後」など、飲むタイミングが書かれています。でも結局、具体的にいつ飲めば良いのか分からない、という声も。まずはそんな疑問にお答えします。
- 「食前」
- 食事を摂る60〜30分前
- 「食間」
- 食事を終えてから2時間後が目安
- 「食後」
- 食事を終えてから約30分以内
食前に飲むことが指定されている薬に多いのは、食事で血糖値が高くなりすぎるのを抑えたり、胃の調子を整えたりするものです。胃のなかに食べ物が溜まっておらず、これから食べものが入ってくるというタイミングで薬を飲むと効果が得られるようになっています。
食間というと食事中に飲む、と思われている人もいるかもしれませんが、それは間違い。食間は、食事を終えて2時間ほど経った空腹状態を指します。漢方薬など胃の負担になりにくい薬や、胃の粘膜を保護する薬などは食間に服用します。胃の中に余計なものがないため、成分が血中にすばやく吸収されるメリットがあります。
食後に飲むことが指定されるのは、空腹で飲むと胃に負担がかかる薬の場合。食事時間が不規則だったり、食欲がなくて食べられないとき、また1日1食や2食が習慣という人でも、胃が空っぽの状態でこのタイプの薬を飲むと胃を荒らしてしまいます。フルーツやゼリー、クッキーなど、食べやすいものを少量でもOKなので、薬を飲む前に何か胃に入れておきましょう。
そのほか「○時間おき」や「○○時」など、飲む時間が指定されている場合は、その指示を守って服用します。
また、解熱剤や痛み止めでは「頓服(とんぷく)薬」と呼ばれ、その症状が強く出ているタイミングで飲むものがあります。1日に飲んでいい回数や、次の服用まで時間を空ける必要などがあるため、服用する前に確認しておきましょう。
疑問2「薬を飲むとき、水じゃなくてもいい?」
早く薬を飲みたいとき、お茶やジュースなどついつい手近になる飲み物で飲んでしまうことはありませんか?
基本的にお薬は、コップ1杯程度の水、またはぬるま湯で飲むように作られています。水以外で薬を飲むのはあまりおすすめできません。特に注意が必要な飲み物は以下の5つ。
- 牛乳
- カルシウムや、胃液の酸性を中和する働きにより、薬の効き目に影響する可能性
- お茶やコーヒー
- 含まれるタンニンやカフェインが薬の効き目に影響する可能性
- 炭酸飲料
- 胃薬と一緒に飲むと、胃酸を中和する効果を弱めてしまう
- グレープフルーツジュース
- 血圧を下げる薬の効果を強めてしまう
- アルコール
- 精神安定剤や睡眠剤の効果を強めたり、低血糖につながる可能性
特にアルコールは体への影響が大きく、絶対に薬と一緒に飲まないよう注意が必要です。
また水なしで飲むと、薬が溶けにくかったり、溶けるべき場所で溶けなかったりして、得られるはずの効果が得られないことがあります。薬はコップ一杯の水で飲む、と覚えておきましょう。
疑問3「症状が消えたら、薬を飲むのを止める?」
症状が治まったからと自己判断で薬を止めてしまうと、思わぬトラブルにつながることがあります。特に医師が処方する抗生物質やステロイド、抗うつ剤などは要注意です。
たとえば抗生物質の場合、飲み始めて数日で症状がなくなったように思えても、まだ体のなかには菌が生き残っていることがあります。ここで薬の服用を止めてしまうと、ふたたび菌が増殖して症状がぶりかえすことも。こうしたことを繰り返すうちに、菌が薬への耐性を形成し、抗生物質が効かなくなる可能性もあるのです。
目に見える症状が治まったとしても、まだ治療の途中かもしれません。自己判断で薬を止めるのではなく、処方通りに服用するようにしましょう。もしも体に不具合が出たり、何か疑問点がある場合は、処方した医師に相談し、その指示に従いましょう。