和漢コラム便秘の解消にCOLUMN
ガスばかり出て便が出ない便秘。その2つの原因と対策
ガスの原因(2)おならは臭くないとき
おならはそれほど臭わない、無臭のガスが多い場合は、腸内の善玉菌・悪玉菌のバランスは整っているとみて良いでしょう。ガスがお腹に溜まり、張って苦しい、便が出ないといった症状がある場合は、腸のぜん動運動が鈍っていることが原因と考えられます。
便秘を改善しようとして大量の食物繊維を摂ると、腸内の多数派である日和見菌(ひよりみきん)が、活発にエサを分解して無臭のガスをつくります。しかし腸はお腹のなかで曲がりくねっているうえ、ガスは軽いため、自然には下に降りて来れず腸のなかに溜まりがち。特に何らかの理由で腸の動きが鈍っていると、このガスがなかなか排出されず、お腹のなかにガスだまりができてしまうのです。
おならは臭くないときのガス対策
この場合は腸をいかにしてイキイキと動かすかが問題。腸の動きが鈍っている要因として考えられるものはいくつかあります。
まずひとつは運動不足で体が冷えていること。体のなかで熱を作り出せるのは筋肉だけですが、日常的に体を動かすことが少ないと、筋力が衰えて冷えやすくなってしまいます。冷えにより血行が悪くなると、胃腸も機能不全を起こしがち。ほとんど運動習慣がないという人は、一日30分のウォーキングを日課にしましょう。
次に大きな要因として考えられるのは、ストレスです。胃や腸といった消化器官が活発に動くのは深いリラックス状態にあるとき。しかし一日中仕事や家事に追われ、ほっとする時間もないような生活をしていると、じゅうぶんに活動できません。
消化器系がしっかり仕事をするためには、夜はリラックスしてぐっすりと眠ること、3食を決まった時間に摂るなど、規則正しい生活をすることも大切です。
また、早食いのクセがある人も要注意。よく噛まずに飲み込むと、食事といっしょに空気も飲み込んでしまい、これがげっぷやガスにつながることがあります。さらに食べ物をきちんとかみ砕かずに飲み込むと、消化不良を起こしがち。未消化の食べ物は悪玉菌の好物ですから、腸内環境の悪化にもつながります。
そして、甘いものには目がないという人も注意が必要です。甘いものを食べ過ぎると、「糖反射」という反応により、一時的に胃の動きがストップしてしまうのです。胃がきちんと働かないと当然消化不良を起こし、腸内環境を悪化させてしまいます。甘いものはほどほどにしておきましょう。
ガスでお腹が張るときにすぐできるガス抜きの方法として、「うつぶせ寝」があります。やり方はうつぶせに寝て、10分経ったら左右に5往復ほどゴロゴロと転がるだけ。お腹の下にクッションなどを敷いて少し圧迫すると、よりガスが出やすくなります。とても簡単なので、ガスが溜まってお腹が張ると感じている人は、ぜひ試してみてください。
この他にも、のの字にお腹をマッサージしたり、仰向けに寝そべりヒザを胸に引き寄せるポーズも、お腹に溜まったガス抜きに役立ちます。いろいろ試して、自分に合う方法を探してみましょう。
ガスばかり出て便が出ないのは、食物繊維も一因
腸内でガスが多く作られるのは、腸内細菌のエサとなるものが豊富にあることが一因です。エサとなるのは、未消化の食べ物や、体内では分解されない食物繊維など。
まずは未消化の食べ物を腸に送り込まないように、脂ものなど消化の悪いものを控え、よく噛みリラックスして食事をとるようにしましょう。
そして便秘の最中は、食物繊維を少し控え気味に。それよりも水分をじゅうぶん摂ること、消化の良い炭水化物をしっかり摂るのがコツです。
あとは運動や睡眠など生活習慣を見直すことで、便秘改善への道が開けてくるでしょう。