和漢コラム便秘の解消にCOLUMN
夏の便秘には「お腹の冷え」を改善するが近道
その他にも気をつけたい、夏の便秘の原因
腸の冷え以外にも、夏ならではの便秘の原因について少しご紹介します。
汗をかくことで水分不足に。
人が一日にかく汗の量は、気温や活動量などによって異なりますが、安静にしていても一日で200~400ミリリットル(成人の場合)。
それが平均気温29度の夏の場合、体重65kgの人が室内で活動すると一日約3リットル。高温環境の工場で8時間働いた場合は、12リットルにも達すると言われています。
大量に汗をかくことで体内が水分不足となり、腸のなかの便も固くなって出にくくなります。熱中症対策はもちろんですが、水分不足で腸をいじめないようにこまめな水分補給を心がけましょう。
ちなみに、水分が不足している状態を見分ける方法として、尿の色があります。
- 無色に近い色か、うすい黄色の状態は正常。水分補給は足りていると考えられます。
- 水分不足の状態は、まさに朝起きたときの濃い尿の色。その状態であればすぐに水分を摂るようにしてください。
水分摂取の目安としては、1日約1.2リットル。一気に無理して飲むよりも、一日何回かに分けて飲むようにすることが効果的です。
夏バテで、食事のバランスがくずれる。
近年のように猛暑日が続くと、誰もが夏バテ気味になりますが、それも便秘の原因の一つです。暑さで食欲がなくなると、腸に送られてくる食べ物の量が足りなかったり、時間が不規則になったり。腸のぜん動運動は、腸の筋肉が動くことで行われているので、小食などで腸の筋肉が弱まると便をうまく送り出せなくなるのです。
また暑いからといって、冷やし中華やそうめん、アイスクリームなど偏った食事ばかりをとっていると、食物繊維の不足から便秘を引き起こす原因に。栄養バランスがくずれると体内に疲労物質がたまりやすくなって、さらにバテやすくなるので、便秘予防だけでなく食事メニューには気をつけてください。
いずれにしても、暑さは腸の働きを鈍らせる要因をいくつかはらんでいます。少しでも腸が元気に動きやすい環境を整えてあげるためには、腸の基礎体力を養うことが大切。腸が健康な状態=腸を冷やさないための対策をいくつかご紹介しましょう。
おなかのために始めたい、夏の冷え対策
首、足首を冷やさないように
「首」と名の付く部分は、皮膚に近いところを動脈が通っているので冷えやすい箇所。露出が多い箇所でもあるので、直接に冷房の風が当たらないように気をつけましょう。
ストールや薄手のカーディガン。足下は素足でなく常に靴下を。就寝時に冷房をつける人には、足首を温めてくれるレッグウォーマーがおすすめです。
お腹の冷えには、インナーや腹巻きが効果的
肝心のお腹を冷やさない方法としては、お腹と洋服の間に一枚重ねて空気の層を作ることです。冬でも重ね着をすると温かいように、空気が留まることで、体表面の温度が急に上下することを防いでくれるのです。
また、季節を問わずおすすめしたいのが腹巻き。インナーよりもさらにしっかりとお腹を温めてくれます。
飲み物に氷は入れない。食事も体温より温かいものを。
暑い季節は冷たいものが飲みたくなりますが、ほどほどに。基本的には常温、もしくは温かい飲み物を選ぶクセをつけましょう。
食事のメニューも、スープやお味噌汁など体を温めるものを積極的に加えてください。
ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
お腹や足をじっくり温めたいなら、ぬるめのお湯(38~39度程度)にゆっくりと浸かりましょう。体が温まるだけでなく、暑さでバテ気味の心や体をリラックスさせてくれます。
こまめに足の運動を
「足は第二の心臓」といわれるほど、足を動かすことは血液循環に大きな影響力をもっています。体の筋肉の2/3は下半身に集中しているので、足の筋肉を動かすことは心臓のようにポンプの役目を果たしてくれるのです。
仕事で忙しいとはいえ、オフィスの中でも工夫次第でいくらでも足を動かすことはできるはず。たとえば、できるだけ階段を使う。椅子に座ったままで足を前にのばして足首を動かす。コピーマシンを使いながら軽く屈伸する・・・。ちょっとしたことでも、毎日継続していれば効果は現れるもの。根気よく続けてみてください。
暑い夏は、便秘に限らず体調をくずしやすい季節。それでも腸内環境が整っている人は体の免疫力が備わっているせいか、なんとか乗り切れることが多いものです。もちろん便秘もすぐに解消したい症状ですが、体の冷えを実感しているなら腸内環境そのものを見直す機会と考えたほうがよいでしょう。